
今回は、女性リーダーとして働くワーキングウーマン(これはもう死語ですかね?)へ。
先日、ある企業の経営者の方から、ご自身が共鳴されている、京セラ社長稲盛氏の考え方を
従業員にも伝えたいというお気持ちを伺いました。
稲盛氏は、もはや知らない人はいない程有名な経営者ですよね、近年では記憶にも新しい2010年、
経営破綻をしたJALの再生の業務執行の責任者として、素晴らしい業績を残されました。
- 京セラフィロソフィー(企業理念)
- アメーバ経営
しかし、それは単なる経営論ではなくて、”人”に焦点を当てた深い哲学なのです。
落胆のどん底にいたJALのすべての社員に、稲盛氏が長年一貫した考えを持つ「働き方」「人としての在り方」のメッセージを社員に送り続けたところ、全社員のベクトルが同じ方向に向き、なんと破綻後、たった2年8か月で 営業利益の黒字、
売上利益率17%を達成しました。
ピンとこない? この数字がどのようなものかというと・・
一般的に航空業界は、とっても収益率の低い業界で、世界平均で利益率はたった1%程度。
そのなかにあって、この業績は驚異的!!なわけです。
その経緯は部門別採算の徹底など、それはそれは抜本的な改革だったようです。
さて、再建の最中であったJALは従業員の意識改革を進めていき、
「全社員の物心両面の幸せを追求すること」
を経営目的の一つに大きく掲げました。
究極の顧客サービスを提供する航空会社にとって、一番大切な事って
「お客様」や「投資家」ではないの~?と思いますよね。
多くの企業が「お客様第一」を謳っていますし、おそらく今までのJALの関心はそこだったはず。
社員が幸せに働いてくれれば、お客様にもそれを返すことができる組織になる、
その結果、企業の価値が上がり、利益を得るということで投資家達にもお返しが出来ると考えられたわけです。
この”人”を大切にするという事、組織の中で御座なりにしてはいけない点ですよね。
そして、最後に強いのはこれの意識がリーダー達に浸透している企業だと感じます。
ご自分のリーダーシップについて考える際、”人”に焦点を当ててみませんか?
参考資料:「JAL再生‐高収益企業への転換」(日本経済新聞出版社)
引頭麻美(編著)